防災の備蓄を始めようと棚の前に立っても、いざ何を買えばいいかで手が止まってしまう。缶詰とパックご飯までは思いついても、そこから先が続かない。そんな経験を持つ人は少なくありません。
必要なのは、そろえる食品を種類ごとに一覧にした買い物リストです。主食・おかず・水・栄養補助・日用品と分けて品目を並べておけば、スーパーでもそのままカゴに入れていけます。何をどれだけ持てばいいかが目で見て分かるだけで、備蓄のハードルはぐっと下がるものです。
ここでは、ローリングストックでそろえる食品を5つのカテゴリに分け、具体的な品目と1人あたりの目安量、保存の期間を表にまとめました。印刷して冷蔵庫やパントリーに貼れば、そのまま補充リストとして使えます。
ローリングストックのリストの全体像と使い方
ローリングストックのリストは、ただ品目を書き出すだけでは使いこなせません。まずはリストがどんなカテゴリで組み立てられているか、そして自分の家では何倍すればいいのかという2つの土台から見ていきます。
リストは主食・おかず・水・栄養補助・日用品で組む
そろえる食品のリストは、大きく5つのカテゴリに分けると迷いません。主食、主菜とおかず、水、栄養補助食品、そして日用品です。この順番はそのまま優先度でもあり、上のカテゴリから埋めていけば、少ない品数でも食事の形が整います。
主食はエネルギーの土台、おかずはたんぱく質やビタミンの補給、水は飲用と調理の両方に欠かせません。栄養補助食品は火が使えないときの手軽なカロリー源になり、日用品は食べる以外の生活を支えます。5つを別々の棚やケースに分けておくと、どれが減っているか一目で分かるようになるでしょう。
まずはこの5分類だけ頭に入れて、あとは次の表を順番に埋めていけば十分です。全部を一度にそろえる必要はなく、主食と水から先に手をつけると挫折しにくくなります。

必要量は家族の人数と備える日数で決まる
リストの数量は、家族の人数と何日分備えるかを掛け合わせて決めます。目安は最低3日分、できれば1週間分でしょう。表に載せた量は1人3日分を基準にしているので、3人家族なら3倍、1週間分がほしいなら日数分を上乗せして読み替えてください。
たとえば水は1人1日3リットルが基準なので、3人家族の3日分なら27リットルになります。主食も1人1日3食として、3人3日分で27食が下限の目安です。人数の多い家庭ほど数字は大きくなりますが、そのぶん普段の消費も速いので、回転は意外と楽に続きます。
はじめから完璧な量をそろえようとせず、まず3日分のラインを引くところから始めましょう。慣れてきたら1週間分へ広げれば、無理なく積み上がっていきます。
主食と主菜・おかずのリスト
食べるものの中心になるのが、主食とおかずです。ここが埋まれば、災害時でも食事らしい食事が組み立てられます。カテゴリごとに具体的な品目と1人3日分の目安量、保存の期間を表で並べていきます。
主食は米・パン・麺で数日分をそろえる
主食は、米・パン・麺の3系統から選んでそろえます。1種類に偏らせず組み合わせておくと、飽きずに毎日消費でき、調理の幅も広がります。水だけで戻せるアルファ米は、火が止まった場面でも食べられる一品でしょう。パックご飯や無洗米なら、普段の食卓にそのまま出せます。
停電に備えるなら、そのまま食べられる長期保存パンや乾パンも数食分は混ぜておきたいところです。乾麺はカセットコンロがあれば手早く一食になり、切り餅やシリアルは腹持ちと気分転換の両面で役立ちます。
下の表に、家庭で回しやすい主食と1人3日分の目安量、保存の期間をまとめました。保存が長いものは棚の奥に、短いものは手前に置いてください。こうすると古い順に使う流れが自然に作れます。
| 品目 | 目安量(1人3日分) | 保存の目安 |
|---|---|---|
| 無洗米・パックご飯 | 6〜9食 | パックご飯 半年〜1年 |
| 乾麺(うどん・パスタ・そうめん) | 300〜450g | 1〜3年 |
| アルファ米 | 3〜6食 | 5年 |
| 長期保存パン・乾パン | 3〜6食 | 1〜5年 |
| 切り餅・シリアル | 適量 | 半年〜1年 |

主菜は缶詰とレトルトでたんぱく質をそろえる
主菜のカテゴリは、缶詰とレトルトを軸にそろえると失敗しません。肉や魚の缶詰は保存が長く、たんぱく質を手軽に補えるのが強みです。温めずそのまま食べられるので、停電で火が使えないときの主役にもなります。
レトルトのカレーや惣菜、丼の具は、湯せんや電子レンジで一食が完成します。味の種類を分けておけば、避難生活が続いても食事の単調さをやわらげられるでしょう。豆や大豆製品の缶詰を混ぜておくと、不足しがちな植物性たんぱくも補えます。
下の表は、主菜とおかずの品目と1人3日分の目安量、保存の期間をまとめたものです。缶詰は期限が長いぶん奥に眠りがちなので、月初などに手前へ繰り出す習慣をつけておくと安心できます。
| 品目 | 目安量(1人3日分) | 保存の目安 |
|---|---|---|
| 肉・魚の缶詰(サバ・ツナ・焼き鳥) | 6〜9缶 | 2〜3年 |
| レトルトカレー・丼の具 | 3〜6食 | 1〜2年 |
| レトルト惣菜(煮物・ハンバーグ) | 3〜6食 | 1〜2年 |
| 豆・大豆製品の缶詰/レトルト | 2〜3個 | 1〜2年 |
| 常温野菜・乾物(じゃがいも・わかめ) | 適量 | 数週間〜1年 |
乾物と常温保存の野菜で品数を足す
主食と主菜がそろったら、乾物や常温で置ける野菜で品数を足していきます。切り干し大根やわかめ、高野豆腐といった乾物は軽くて場所を取らず、水で戻すだけで一品になります。食物繊維やミネラルの補給源としても頼れる存在でしょう。
じゃがいもや玉ねぎ、かぼちゃなどは、冷暗所なら数週間から1か月ほど日持ちします。普段から少し多めに買い置きし、古いものから使えば、これもローリングストックの一部です。缶詰の野菜やドライ野菜を加えれば、火や水が限られた状況でも彩りを足せます。
こうした副菜系は、栄養の偏りを防ぐうえで意外と効いてきます。主食と主菜だけでは飽きやすいので、乾物を2〜3種、常温野菜を数種そろえておくと安心でしょう。回しやすい食品の選び方は、次の記事も参考にしてください。

水と栄養補助食品のリスト
食料がそろっても、水がなければ調理も水分補給も成り立ちません。ここでは飲み水と生活用水、そして手軽にカロリーを補う栄養補助食品を、目安量とあわせて並べていきます。
飲料水は1人1日3リットルそろえる
飲料水は、1人1日3リットルを基準にそろえます。飲用と調理の両方をまかなう量で、3日分なら1人9リットル、1週間分なら約21リットルが目安です。2リットルペットボトル6本入りの1箱が12リットルなので、3人家族の3日分およそ27リットルなら2〜3箱そろえておきましょう。
長期保存水は5年から15年ほど持ちますが、普段使いの水より割高になります。すべてを保存水でそろえる必要はなく、普段飲む水を多めに買って回すほうが、家計にもやさしく続けやすい方法でしょう。夏場や在宅避難を想定するなら、目安より少し多めに持っておくと安心です。
下の表に、飲料水の種類と目安量、保存の期間をまとめました。まずは3日分を切らさないことを最初の目標にすると、取り組みやすくなります。
| 品目 | 目安量 | 保存の目安 |
|---|---|---|
| ペットボトル水(2L) | 1人1日3L×3日=9L | 半年〜2年 |
| 長期保存水 | 家族3日分の一部 | 5〜15年 |
| 生活用水(風呂の汲み置き・給水タンク) | 別途確保 | 都度入れ替え |
生活用水を飲料水とは別に確保する
飲み水とは別に、トイレや手洗い、洗い物に使う生活用水も要ります。この水は飲用ほどの清潔さは求められないので、ポリタンクや空きペットボトルに水道水をためておく方法で十分です。風呂の残り湯を抜かずに置いておくだけでも、まとまった量を確保できます。
生活用水の量は、1人1日あたりおおよそ10リットルから20リットルが目安とされます。飲料水のように長期保存はきかないため、数日おきに入れ替えて新しく保つのがコツです。給水タンクを折りたたみ式で1つ持っておくと、給水車が来たときの受け取りにも使えて便利でしょう。
断水が長引くと、この生活用水の有無が暮らしの快適さを大きく左右します。飲み水ばかりに気を取られがちですが、生活用水も忘れずに確保しておいてください。
栄養補助食品とお菓子でカロリーを補う
火も水も使えない状況では、そのまま食べられる栄養補助食品が頼りになります。カロリーメイトのようなブロック菓子や、ようかん、スティックゼリーは、少量で効率よくエネルギーを補える点が強みです。個包装で日持ちするものが多く、防災リュックにも入れやすいでしょう。
甘いものは非常時の気持ちをやわらげる働きもあります。チョコやあめ、ビスケット、ナッツやドライフルーツを少し混ぜておくと、子どものおやつにも使え、ふだんの生活でも無理なく消費できます。夏場に溶けやすいチョコは、保存場所に気を配っておくと失敗しません。
下の表に、栄養補助食品とお菓子の品目と目安量、保存の期間をまとめました。主食や主菜の合間を埋める補助として、1人3日分を目安にそろえておくと安心です。
| 品目 | 目安量(1人3日分) | 保存の目安 |
|---|---|---|
| 栄養補助食品(カロリーメイト等) | 3〜6食分 | 半年〜1年 |
| ようかん・スティックゼリー | 3〜6個 | 半年〜1年 |
| チョコ・あめ・ビスケット | 適量 | 半年〜1年 |
| ナッツ・ドライフルーツ | 適量 | 半年〜1年 |
日用品と衛生用品のリスト
食べ物と水がそろっても、明かりや加熱の道具、トイレがなければ生活は回りません。最後に、食料以外でそろえておきたい日用品を用途ごとに並べていきます。
加熱と調理の道具をそろえる
食料を温めたり湯を沸かしたりするには、電気やガスが止まっても使える道具が要ります。中心になるのがカセットコンロとボンベで、これがあれば乾麺やレトルト、アルファ米まで幅広く調理できます。ボンベは1人1週間あたり約6本が目安なので、3日分なら2〜3本を人数分そろえておきましょう。
調理をラクにする小物も忘れずにそろえたいところです。ポリ袋があれば湯せん調理で食器を汚さずに済み、ラップは皿に敷けば洗い物の水を節約できます。使い捨ての紙皿や紙コップ、割りばしも数日分あると、断水中の手間がぐっと減るでしょう。
下の表に、加熱と調理まわりの道具と目安量、保存の期間をまとめました。コンロのボンベは使用期限がおよそ7年なので、備蓄リストに入れて定期的に入れ替えておくと安心できます。
| 品目 | 目安量 | 保存の目安 |
|---|---|---|
| カセットコンロ+ボンベ | ボンベ 1人1週間6本目安(3日で2〜3本) | ボンベ 約7年 |
| 簡易トイレ | 1人1日5回×3日=15回分/人 | 10〜15年 |
| ライト・乾電池・モバイルバッテリー | 人数分+予備 | 電池 5〜10年 |
| ウェットティッシュ・トイレットペーパー | 多めに常備 | 劣化前に更新 |
| 救急用品・常備薬・ラップ・ポリ袋 | 一式 | 薬は使用期限内 |
明かりと電源を確保する
停電したときに真っ先に困るのが、明かりと情報、そしてスマホの電源です。懐中電灯やランタンは家族の人数分を用意し、両手が空くヘッドライトを1つ加えておくと作業がしやすくなります。乾電池式なら、電池を替えるだけで長く使える点も心強いでしょう。
情報を得る手段として、電池式や手回しのラジオも1台そろえておきたいところです。スマホの充電にはモバイルバッテリーが欠かせず、容量の大きいものを2台ほど、乾電池も単3・単4をまとめて備えておくと安心です。手回し充電やソーラー充電に対応した機種なら、長期の停電でも電源を切らさずに済みます。
明かりと電源は、暗さと孤立の不安をやわらげてくれる備えです。使う電池のサイズを機器ごとにそろえておくと、いざというとき使い回しがきいて無駄が出ません。半年に一度は点灯と充電を試して、動くことを確かめておいてください。
衛生用品と常備薬をそろえる
断水が続くと、トイレと衛生の問題が真っ先に暮らしを圧迫します。簡易トイレは1人1日5回として、3日分なら15回分を人数分そろえておくと安心です。あわせてトイレットペーパーやウェットティッシュ、ビニール袋を多めに持っておけば、水が使えなくても最低限の清潔を保てます。
体調を崩したときのために、常備薬と救急用品も欠かせません。持病の薬は最低3日分、できれば1週間分を切らさないよう手元に置き、絆創膏や消毒液、包帯といった応急手当ての品もひとまとめにしておきましょう。マスクや歯みがきシート、生理用品など、家族構成に合わせて必要なものを足していくと抜けが減ります。
これらは食料ほど注目されませんが、なければ健康と衛生が一気に崩れる備えです。使用期限のある薬や消毒液は、半年から1年ごとに見直して新しく入れ替えておくと安心でしょう。家族に必要なものから、少しずつリストに書き足してみてください。
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リストの品数が多くて迷うときは、主食・おかず・水が一式そろった非常食セットを土台にすると抜けが出にくくなります。家族の人数分の中身を確認して選んでみてください。
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まとめ
ローリングストックのリストは、主食・主菜とおかず・水・栄養補助食品・日用品の5つに分けてそろえると迷いません。主食は米やパン、麺を組み合わせ、おかずは缶詰とレトルトでたんぱく質を確保します。水は1人1日3リットルを基準に、飲料用と生活用の両方を用意しておきましょう。カロリーを補う栄養補助食品や、加熱の道具・簡易トイレ・明かりといった日用品まで押さえれば、備えの抜けはほとんどなくなります。数量は家族の人数と日数を掛けて決め、まずは3日分から。表を印刷して棚に貼り、減った分を買い足していけば、無理なく在庫が回り続けます。今日の買い物で、リストの上から1品ずつカゴに入れるところから始めてみてください。


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